治療目標周辺症状は非薬物療法が基本

投稿者: | 2017年9月20日

まず何を治療するかの目標を明確にす ることが求められます。主な治療目標に は、認知機能障害、行動異常・精神症状 とせん妄、身体面への管理、それに介護 者への配慮・社会的支援の利用があります。

前述のように2つに大別される認知症 の症状のうち、中核症状である認知機能 障害とは、記憶障害や前述しました巣症状、遂行機能障害など大脳傷害の直接的 な現れのことをいいます。

これに対して周辺症状のなかでもBPSDは、傷害された大脳病変といぅ基盤 に心理・環境要因が加わって現れたもの と考えられています。具体的には、徘徊 や暴言.暴力’ 妄想などが有名です。

どのタイプの認知症であっても、中核 症状、とくに記憶に対して有効な治療法 はないのが現状です。

確かに塩酸ドネべジルなど抗コリンエ ステラーゼ阻害薬(chE-IS)は、アルツハィマー病(AD)に効果があるとい われています。しかし、その記憶障害そ のものを改善するのではなく、注意集 中力を高める結果、記憶など他の認知機 能に好影響を及ぼすと考えるべきでしょう。

BPSDへの対応では、その内容にも よりますが、非薬物治療が基本となります。

場合によって薬物治療と組み合わせる のが一般的な治療法となります。

このような対応法の前提となるのは、 BPSDを力づくで押さえ込むのではな く、その行為の背景に何があるのかを考 える姿勢です。つまり、単に迷惑行為と とらえるのではなく、患者さんは周囲に 何を伝えたいのだろぅかと考えて対応す ることです。

BPSDと似ていますが、別のカテゴ リーとして扱ったほうがよいものにせん 妄があります。せん妾の症状としては、 短期間のうちに変動する意識レベルの障 害が基本となります。思考力や注意力が 低下するので、自分のいる所や時間がわ からなくなる時間的失見当が生じること もあります。ケースによっては夢と現 実との区別が難しかったり、周囲の状況 を誤認して被害的な妄想に発展させたり します。

なお認知症でもせん妾が生じやすいこ とに注意する必要があります。あらゆる 身体疾患と外傷がせん妄の原因となりま すが、以下のように大きく3分類されま す。

①環境因

② 器質因

③ 薬剤性

しかし直接的な原^を特定することは 難しく、多くの要因が複雑に絡み合って いることか多いようです。

さて認知症の介護状況とは、患者と介 護者が相互に反応しあう過程であるとい えます。たとえ家族であっても、認知症 に侵され、激しいBPSDを示す患者さ んを四六時中介護するのは大変なことで す。

家族の献身なくして、介護は成り立ち ません。このため、いかにして家族に平 穏な生活をもたらすかという観点が極め て大切になります。

最後に患者さんの余病への対応など、 身体面への管理も忘れてはならないでしょう。

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